2022年のご挨拶と旧年の振り返り

2022年、新年を迎えました。
一昨年から活動を再開し、旧年も大変お世話になりました。

難病者の社会参加白書

白書公開

2021年は、文字通り皆さまのお蔭で難病者の社会参加白書(PDF版15MB)が出来上がりました。1915の都道府県・市区町村に白書を送付し、あわせて難病者の就労調査もお願いしました。現時点で300超の回答が集まり、回答期限は1/14までです。ご協力いただいた自治体の皆さまに感謝申し上げます。
難病者の社会参加を考える研究会の活動状況はこちらでまとめています。


コロナ禍でのリモートの浸透もあり、私自身も働き易くなりました。一昨年の活動再開にあたり、新たにチームも立ち上がりました。「はじめまして、こんにちは」からスタートし、研究会の運営や調査、白書の作成まで全てオンラインで進めました。何名かの方とは、未だ直接お会いしたことがありません。また、仕事での外出は、厚労省、大臣、知事、副区長へのお伺いの1年で4回のみでした。

コロナ禍以前に比べて打合せ以外は体調回復に努め、できる時にデスクワークをするので効率的になりましたが、たまにはオフラインがよいなと今でも思います。また、仕事の成果だけが見えてしまうので、痛みや苦悩を誰にも理解されないという気持ちが、闘病16年を迎えた今でも心の片隅にあります笑

ここ2年の反省は、事業に持続性を持たせるためのマネタイズを行えなかったことです。大勢の方にプロボノやボランティアでご一緒いただき、ご寄付や助成金で一時的に凌いできましたが、結果的に自分自身も苦しくなりました。NPOを立ち上げ10期目ですが、改めてお金が回ることの大切さも実感しました。


2021年の振り返り

3月
第8回 難病者の社会参加を考える会の開催

4月
難病者の社会参加を考える研究会のオンライン報告会の実施
私たちの目指すビジョンや難病者を取り巻く状況、難病者の就労調査の報告、ゼネラルパートナーズ社とソフトバンク社の事例発表やパネルディスカッションを行いました。

今春
難病者の孤独孤立対策に関する要望書の作成
60団体・企業にご賛同いただき関係各所へ提言しました。特に、自民党の孤独孤立対策特命委員会の鈴木貴子衆議院議員のご尽力により、後述の孤独孤立対策フォーラムや重点項目への明記と繋がりました。改めてお礼申し上げます。

7月
白書を全自治体に届けるためのクラウドファンディングに挑戦

10月
第7回孤独・孤立に関するフォーラム テーマ「様々な課題への対応」への出席
12月に発表された内閣官房の孤独・孤立対策の重点項目に“難病等の患者”と明記されました。先春時点では、難病の文字が見当たらず、また“等”とついたことで指定難病に限らず、希少疾患や難治性慢性疾患なども含むことが可能になりました。

だいぶ早口ですが、難病のある人の置かれている状況と対応策を5分でまとめています。

一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会(JPA)に準加盟
これまで難病者の社会参加を考える研究会、調査や白書の作成でご一緒いただく機会がありましたが、昨秋よりJPAさんの末席に加えさえて貰いました。

11月
難病者の社会参加白書の送付
都道府県知事・市区町村長宛:1915件他、計2231か所へ送付

12月
全自治体への難病者の雇用に関する調査開始
白書の送付と調査に合わせて、自治体での先進事例のお伝えと、3つの提案をしています。

*文書作成時の提案の3つ目は、その他の難病も含むとしていましたが、一人親家庭、介護離職者、早期退職者や元受刑者の再就職など何かしら制約がある人たちへの機会提供とした方がよりよいと考えます。


長くなってしまいましたが、今年は難病のある人の働き方を蓄積していきます。何かと制約の多い難病のある人が働き易い社会は、誰にとっても暮らし易く、働き易い社会と言えるのではないでしょうか。

日本には世界に誇れる皆保険があるので、誰もが安心して働き、暮らしていけるような皆就労支援や皆生活保障のような仕組みがあってもいいのではと考えています。皆が安心して生活することができれば、満員電車やSNSでのトラブル、自殺や少子化も解消していくのではないかと思います。

話が大きくなってしまいましたが、そのような未来を見ながら、難病者の就労・社会参加の拡大に取り組んでいきます。

2022年も、皆さまにとってよりよき一年となりますように

本年も何卒宜しくお願いします。

NPO法人両育わーるど
理事長 重光喬之